門の袖柱修繕
門の袖柱の足元が腐っており、直したいとご連絡をいただき、現地調査に訪れると…
束の上5cm程の範囲が腐朽していました。
調査を終え現地を去ったあと、柱が石で無くモルタルに載っていたことが気になり、後日あらためてお伺いしてモルタルを割ってみました。すると柱が地面に埋めてあり、モルタルの隙間から侵入した雨水の影響で、腐朽は地中部分まで深く進行していました。
将来のことを考え、地中に埋まった柱を切断して、束石に載せ替える工事を行うことになりました。
袖柱と門柱の接合部はクサビで留めてあり、大工さんであれば容易に取り外せるようにしてあります。大きく壊さずに傷んだ部材のみを取替できるように作る、建てた当時に将来のメンテナンスを想定した、木造ならではの仕組みです。
柱を切断して、地中に埋まった柱を掘り起こします。大工さんは切断した柱を束石に据えれるように加工。隠れてしまう箇所は防蟻材を入念に塗ります。
束石をセットした柱を元の位置に戻して、束石をモルタルで固定します。
見た目には大きな変化のない工事ですが、袖柱はとても健全な状態に生まれ変わりました。